指導者講習会は(一財)柏崎市スポーツ協会が、日頃スポーツ指導に携わる様々な立場の方々を対象に、指導法とコンプライアンス意識の向上を図り、指導力・資質向上を目的に開催するものです。今年度は全4講座を開催いたします。今回はその1回目です。
◆テーマ:女性アスリートへのサポートについて
講 師:新潟医療福祉大学 健康科学部 健康スポーツ学科 講師 奈良 梨央 様
日 時:6月7日(土)13:30~ 会場:柏崎市立図書館(ソフィアセンター)多目的ホール
今回の指導者講習会は、女性の活躍が目覚ましいスポーツ分野において、本講習会では初めて女性アスリートに特化したテーマとしました。新潟医療福祉大学で水泳とコーチング学を指導してご活躍されている 奈良 梨央 様 を講師にお招きし、「女性アスリートへのサポート」と題してご講義いただきました。特に女性アスリート特有の問題として避けては通れない『月経』について医学的・科学的な正しい知識の理解をベースに指導者として女性アスリートとのコミュニケーションの取り方などご教授いただきました。
女性アスリートの三主徴は、「利用可能エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」があり、継続的な激しい運動トレーニングや食事制限によりエネルギー不足になり、ホルモンの分泌が低下することで、月経異常(無月経)になる可能性があること。さらに、無月経は骨密度低下による疲労骨折のリスクがあること。女性が一生の中で骨が最も強くなる時期は20歳頃がピークとなることから10代のうちに骨を強くしておく必要があると警鐘を鳴らしました。指導者として必要なことは、悩みを打ち明けられる関係性づくりと話す機会を逃さないこと。
男性指導者へは、①学校医、養護教諭、ドクターとの情報共有②選手と2人きりでなく、第三者(女性が望ましい)を交えて話す③保護者(母親など)にも月経の状況を含むコンディション管理に参加してもらう④冗談でごまかしたり、からかうような言い方は絶対にしないこと。
まとめとして◆月経はとても大切な生理現象◆指導者と選手との関係づくり◆ちょっとした変化に気づくことが重要であると指摘されました。
参加者の9割が男性であり、これまでの曖昧な理解に一石を投じた研修内容でした。